お散歩レンズを考える

一眼を持って散歩に行く際「1本付けていくならこのレンズ」ということで「お散歩レンズ」を考えてみました。標準ズームレンズや高倍率ズームレンズなど、多様な使い方ができるレンズが一本あれば事足りるのですが、それでは面白くありません。写りを主軸に置きつつ、小型・軽量や使い勝手、制限された画角に対応することの楽しさなども考慮して選んでいます。もちろん見た目も重要なので「パッと見た感じ本気っぽくないけどよく見るとへぇ」っていう感じも大切にしてみました。日々のレンズ選びの参考にしてみてください。

HD PENTAX-DA 35mmF2.8 Macro Limited APS-C

このレンズは35ミリ判換算53.5mmと標準域の単焦点レンズとしても利用可能なマクロレンズ。身近な草花の拡大撮影もOKな上、描写もシャープなので素材の質感までリアルに描写することができて万能に使えるレンズです。レンズ自体もコンパクトで持ち運びにも適しています。実際に筆者も良く持って行くのですが、レンズがあまり主張しないのでちょっとお茶飲むときでも恥ずかしくありません。

 
HD PENTAX-DA 21mmF3.2AL Limited APS-C

このレンズは、35ミリ判換算32mmと広角の単焦点レンズ。ちょうど28mmと35mmの間くらい、画角で言うと68°と幅広い領域を撮影できます。最短撮影距離0.2mとかなり被写体に寄って撮影できるところもポイントで、広角レンズならではのデフォルメ効果(※1)を手軽に楽しむこともできます。もちろん、スナップにも適していますので、自分なりの特別なシーンを自由に切り取りながらの散歩も楽しめます。また、レンズも大変コンパクトで、長さ25mmと薄型。この点においてもお散歩レンズにもピッタリです。

※1 画角内に、近くにある被写体はより大きく、遠くにある被写体はより小さく写し込んで、遠近感を強調すること。

 
HD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limited Full-Size / APS-C

このレンズはPENTAXを代表するレンズと言っても過言ではないフルサイズ対応の単焦点レンズ。写りも印象的で、開放で柔らかく、絞るとキリっとシャープになっていく。高コントラストでグラデーションもキレイに出ますので繊細な表現も得意。FA Limitedレンズならではの味が楽しめます。F1.8と明るいレンズなのにコンパクトなところもFA Limitedレンズらしい部分ですね。31mmの画角はスナップでも風景でも楽しめますし、APS-C使用時は35ミリ判換算47.5mmと標準単焦点レンズとしても楽しめます。どのフォーマットでも楽しめる万能感があるレンズです。

 
HD PENTAX-FA 35mmF2 Full-Size / APS-C

このレンズはその昔「隠れ☆(スター)レンズ」とも言われたsmc PENTAX-FA 35mmF2ALがベース。smc PENTAX-FA 35mmF2ALをベースにしたレンズには、smc PENTAX-DA 35mmF2.4ALもありますが、HD PENTAX-FA 35mmF2はHDコーティングを採用した正当進化モデル。コーティングを全面的に見直して、逆光やフレアにさらに強いレンズになりました。F2と明るいレンズなのに全長約44.5mm、フード付でも約213gとコンパクト。最短撮影距離も0.3mだからぐっと寄っての撮影もOKです。

APS-Cカメラに装着すると35ミリ判換算53.5mm相当の標準単焦点レンズとして使用可能で、フォーマットを超えて使えそうな万能感溢れる焦点域。HD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limitedとどちらにするのか、大いに迷うところです。は味にこだわるならA 31mmF1.8Limited、C/PにこだわるならFA35mmF2でしょうか。ぜひ、いろいろと思いを巡らせてみてください。

 
HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR RE APS-C

このレンズは、35ミリ判換算の焦点距離が84.5-460mmの望遠ズームレンズなので、散歩しながらでは焦点距離が長過ぎるのではないかとも思われがちですが、野鳥や草花などを撮りたいシーンなどではスマホとは一味も二味も違った写真が撮れるので便利です。

望遠ズームレンズは大きく重いレンズが多いのですが、このレンズはリトラクタブル型とすることで収納時の全長約89mm、重さ約442gと小型で持ち運びしやすいレンズ。フォーカスレンズにはわずか4gほどのレンズを使用することによって、ピント合焦の高速化を実現しています。また、望遠端でも最短撮影距離0.95mとテレマクロでも使いやすい仕様。小さな草花などの撮影にも適しています。お散歩でも長めの焦点距離が欲しい場合は、このレンズをお選びいただきたいと思います。

 
HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited APS-C(/ Full-Size)

このレンズは、長さ15mm、重さ89gという小型・軽量なところが選出ポイント。レンズの出っ張りも少ないので、バッグに入れておいてもサッと出してサッと撮れる。PENTAX K-01と同時に発売したsmc PENTAX-DA 40mmF2.8 XSは、HD化はしていないものの同設計の光学系。こちらはさらに軽量な52gなのでどちらにするか迷ったのですが、やはり逆光にも強いHD化している方を選びたいと思います。

35ミリ判換算の焦点距離が61mmの少し長めの標準単焦点レンズですが、周辺減光が少ないので実はフルサイズで使用しても40mmの単焦点としてケラレなく使えます(※2)。このように幅広く使えるところも選んだ理由のひとつです(FA Limitedレンズで43mmというのがありますが、フルサイズの40mmはなかなか楽しい画角でオススメです。DA 40mmシリーズをお持ちの方はぜひフルサイズでも試してみてください。by 筆者)。

※2 最初は自動でクロップされるので設定変更が必要です。

 
番外編 GR III

GR IIIは一眼レフなどと同じAPS-Cサイズのセンサーを搭載し、一眼レフと同じ手振れ補正SRも搭載。小型・軽量という点では一眼レフよりも手軽で、レンズは選べませんが単焦点のFixedレンズとして究極まで画質を追い込んで設計・搭載することで、一眼レフ以上に精緻な写真が撮れます。究極のスナップシューターは究極のお散歩カメラでもあるわけです。