初めての野鳥撮影


メジロ
PENTAX K-1 Mark II+HD PENTAX-D FA 150-450mmF4.5-5.6ED DC AWで撮影。絞り:F6.3、シャッタースピード:1/500秒、焦点距離:450mm(APS-Cクロップ:35ミリ判換算688mm)、ホワイトバランス:オート、ISO感度:800。スクエア通信掲載記事 No.202

冬になって紅葉が終わると野鳥の観察や撮影が楽しい季節になります。落葉によって野鳥を見やすくなるほか、高地が寒くなって野鳥が里に降りてきますので街中で見掛ける種類や数も多くなってきます。桜の花が散るころには暖かくなってきて木々の葉も生い茂ってきますので、概ね11月から4月ころまでは楽しめる感じでしょうか。※野鳥の生息域に踏み込んだり、近隣の方々の迷惑にならないよう気を付けるなど、マナーを守って撮影を楽しみましょう。

撮り方、探し方

都会の喧騒のなかでも意外と野鳥はいるもので、「よく見たらスズメじゃない」くらいに身近だったりもします。「いつもとは違う鳴き声が聞こえるな」とか「スズメにしては小さいかも」など、いつもの風景を少し良く見てみるだけで見つけられたりもします。まずはそんな感じで始めてみてはいかがでしょうか。

撮り方としては、対象となる種類や行動を把握していて特定の撮影ポイントでじっくり待つ撮り方と、野鳥の生息地にどんどん入って移動しながら撮る方法があると思います。タイミングさえ合えば通常の公園などでも良く撮れますので、鳥の声がする方向を良く見てみると良いと思います。

野鳥の摂餌行動を考える

たとえばせせらぎの宝石といわれるカワセミ。近年河川の開発などを受けて池が併設される大きな公園でもよく見られるようになりました。彼らを観察すると、いつも止まる枝が同じことが多いことに気が付きます。その枝を見つけて三脚でしっかり固定したカメラで狙うのも良いと思います。

気温や活動時間を考える

夏場などは活発に活動するのは日の出から午前中くらいだと思います。その後気温の上昇とともに活動が低下し、夕方再び活発に活動するようです。また、野鳥の生活サイクルによっては、この場所ではこの時間帯にしか見られない。といったこともあるので、撮りたい野鳥の情報収集を事前に行っておきたいところですね。

地元の表示を参考にする

野鳥は、季節によってこのあたりで姿が見られるよ。といった、生活圏やよく見掛ける場所があります。そうした場所を移動しながら撮影するのも良いでしょう。身近な場所としては大きな川の河川敷沿いの道、山地などの谷戸といわれる地形の田んぼ、河川や海岸の干潟など、「このエリアにはこんな野鳥が来るよ」という表示がある場所があったりもします。そんなところに出掛けて撮るのも良いでしょう。

観察小屋を利用する

野鳥公園や森林を伴う公園などでは野鳥を観察するための観察小屋を設置しているところが多いです。そこで、じっくり待ちながら野鳥を撮影すると、かなりの確率で野鳥を撮影することができるでしょう。

野鳥図鑑を参考にする

カメラやレンズにこだわるのも大切ですが、1冊は野鳥図鑑や野鳥観察の本を持つのも大切です。特にどんな場所で見られるか、どんな鳴き声でさえずるのかを知っていると野鳥を見つけやすくなります。

レンズ選び

東京近郊でも見られる野鳥のサイズは千差万別。スズメよりも小さいものから、ハト、カラスからサギなどの大柄な鳥まで様々です。また人との距離感も、人間の生活圏に一緒に生活している野鳥もいれば畑地、谷戸、森林、湖、干潟など特定のエリアでしか観察できない野鳥もいます。被写体となる野鳥の大きさと撮影距離によって細かくは異なりますが、野鳥も警戒心が強いのでそれほど近くに寄っての撮影は難しく、望遠レンズがメインとなります。

HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR RE

気軽に撮り歩きを楽しむ時は、HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR REがおススメですね。APS-C機であればセンサー面積の関係で焦点距離84.5~460mmの望遠レンズとなります。身軽に野鳥撮影が楽しめます。

HD PENTAX-D FA 150-450mmF4.5-5.6ED DC AW

しっかり撮りたい時は、HD PENTAX-D FA 150-450mmF4.5-5.6ED DC AWが活躍します。もちろんフルサイズ機でも、APS-C機でも使用できます。PENTAX K-3 Mark IIIやPENTAX K-1 Mark IIのクロップモード時などでは230-690mm望遠レンズとして活用できます。

smc PENTAX-DA★300mmF4ED[IF] SDMなどの単焦点レンズ

高解像で画質にこだわりたい時は、やはりズームレンズよりも単焦点レンズが良いです。smc PENTAX-DA★300mmF4ED[IF] SDMはAPS-C機に使用して35ミリ判換算460mm相当となるほか、フルサイズ機でご利用になられているお客様も多いです。また、生産終了で入手が難しくなっていますが、HD PENTAX-DA 560mmF5.6ED AWは解像力が抜群に良くて野鳥の羽の一本一本が際立ちます。

HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AW

APS-Cの画角となりますが、HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AWをsmc PENTAX-DA★300mmF4ED[IF] SDMに組み合わせれば35ミリ判換算644mm相当となり、さらに野鳥を大きく捉えることができます。

おすすめのカメラ設定

実際に撮影するときは、どんな設定がおススメでしょうか?露出条件によって変わりますが、初めての野鳥撮影ということでは「Pモード」がオススメです。慣れてくれば、もっと早いシャッタースピードで野鳥の羽ばたきを止めて撮ったり、あえてブラして撮ったりするために「Tvモード」を活用するのも良いと思います。また、AFモード選びも難しいところですね。飛翔を狙うときはAF-Cモードを活用したいですし、やぶや木の枝に止まった鳥を狙うのであればAF-Sモードが良いと思います。またドライブモードの連写機能と連動するとフレーム内に被写体を入れるチャンスを広げてくれると思います。

Pモードでひと工夫

初めての際におすすめの「Pモード」ですが、ひと工夫で野鳥撮影が楽に楽しめます。まず試してほしいのは「前電子ダイヤル」を回してハイパーTvモードにしてやることです。Pモードでありながらシャッタースピード優先でカメラを制御できるので、飛び立つ瞬間や飛翔を止めて撮るときに便利ですね。(おすすめシャッタースピード:1/500)

スポーツモードの活用

PENTAX K-1 Mark IIやPENTAX K-3 Mark IIIなどの「Pモード」にはメニューから「プログラムライン」の選択が可能です。このプログラムラインの設定に「高速優先」という高速シャッターを優先するモードが用意されているので、このプログラムラインを活用することで意識することなく高速シャッターでの撮影が可能となります。

Tvモードでひと工夫

「Tvモード」ではシャッタースピード優先で撮影することができますがシチュエーションに合わせた選択を行うことでより表現豊かに野鳥を撮影できます。飛翔や枝に止まる野鳥を瞬間的にとらえるのであれば、シャッタースピードを1/500前後にすることで撮影できるでしょう。水鳥の羽ばたきを敢えてスローシャッターでスピード感を出す場合は、1/30、1/15、1/8などの設定を試してみてください。ブレた羽の変化が楽しめます。


カワセミ
PENTAX K-3 Mark III+HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR RE+HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AWで撮影。絞り:F9.5、シャッタースピード:1/1000秒、焦点距離:420mm(35ミリ判換算649mm)、ホワイトバランス:オート、ISO感度:3200

アオバト
PENTAX K-1 Mark II+HD PENTAX-D FA 150-450mmF4.5-5.6ED DC AWで撮影。絞り:F6.3、シャッタースピード:1/640秒、焦点距離:450mm(APS-Cクロップ:35ミリ判換算688mm)、ホワイトバランス:オート、ISO感度:200。スクエア通信掲載記事 No.192

コゲラ
PENTAX K-1 Mark II+HD PENTAX-DA 560mmF5.6ED AWで撮影。絞り:F5.6、シャッタースピード:1/500秒、焦点距離:560mm(APS-Cクロップ:35ミリ判換算856mm)、ホワイトバランス:オート、ISO感度:200。スクエア通信掲載記事 No.202

ジョウビタキ(メス)
PENTAX K-3 Mark III+HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR RE+HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AWで撮影。絞り:F9.5、シャッタースピード:1/1000秒、焦点距離:420mm(35ミリ判換算649mm)、ホワイトバランス:オート、ISO感度:6400

シロハラ
PENTAX K-1 Mark II+HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR REで撮影。絞り:F6.3、シャッタースピード:1/250秒、焦点距離:300mm(APS-Cクロップ:35ミリ判換算459mm)、ホワイトバランス:オート、ISO感度:6400

キジバト
PENTAX K-1 Mark II+HD PENTAX-DA 560mmF5.6ED AW+HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AWで撮影。絞り:F8.0、シャッタースピード:1/800秒、焦点距離:784mm(APS-Cクロップ:35ミリ判換算1199mm)、ホワイトバランス:オート、ISO感度:400。スクエア通信掲載記事 No.202

ヒヨドリ
PENTAX KP+HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR REで撮影。絞り:F6.3、シャッタースピード:1/500秒、焦点距離:300mm(35ミリ判換算460mm)、ホワイトバランス:オート、ISO感度:400。スクエア通信掲載記事 No.123

コサギ
PENTAX K-3 Mark III+HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR RE+HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AWで撮影。絞り:F9.5、シャッタースピード:1/400秒、焦点距離:420mm(35ミリ判換算649mm)、ホワイトバランス:オート、ISO感度:4000

トビ
RICOH GR IIIで撮影。絞り:F5.6、シャッタースピード:1/2000秒、焦点距離:18.3mm(35ミリ判換算28mm)、ホワイトバランス:オート、ISO感度:100。スクエア通信掲載記事 No.188
 
スクエア通信

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