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マクロレンズは被写体を大きく写せるレンズの総称で、PENTAXのKマウント用レンズでは、HD DA 35mmF2.8 Macro Limited、D FA MACRO 50mmF2.8、D FA MACRO 100mmF2.8 WRの3種類があります。それぞれに特徴がありますが、ここではスペック表を見ながらその焦点距離に絞って、違いをご紹介したいと思います。
撮影倍率と撮影距離
マクロレンズの最大の特徴は、撮影倍率が大きいこと。撮影倍率とは、撮像面に写された像の大きさの比率のことで、Kマウント3種類のレンズは、すべて最大撮影倍率が1.00倍の等倍撮影が可能です。ここで言う「等倍」とは、被写体が撮像面(イメージセンサー上)に実物と同じ大きさに像を結ぶ(写る)ということで、1cmのものは1cmとして撮像面上に像を結びます。
この3種類のマクロレンズは、それぞれの最短撮影距離(撮像面から被写体までの距離)で最大撮影倍率(1.00倍)での撮影が可能ですので、D FA MACRO 100mmF2.8 WRは0.303m、D FA MACRO 50mmF2.8は0.195m、HD DA 35mmF2.8 Macro Limitedは0.139mで、等倍撮影が可能になります。D FA MACRO 100mmF2.8 WRは3種類のなかでは一番離れた場所から拡大撮影できますので、被写体に近付きにくいようなシーンで活躍できます。逆に、被写体から離れると被写体の周りのものが邪魔になる場合などには、HD DA 35mmF2.8 Macro Limitedが有効です。
最短撮影距離時のレンズ前面から被写体までの距離をワーキングディスタンスと呼ぶことがありますが、特にマクロの場合、被写体が自然の動植物であることも多いので、これらの距離によっては使い分ける必要が出てくることがあります。
画角と焦点距離
画角は、実際に写る範囲を角度で表したもので、焦点距離が長くなると画角は狭くなります。APS-Cカメラ装着時で、D FA MACRO 100mmF2.8 WRは16°、D FA MACRO 50mmF2.8は31.5°、HD DA 35mmF2.8 Macro Limitedは44°となり、焦点距離が長いほどクローズアップされ、短いほど周辺の景色が入ってきます。
被写界深度
撮影距離、焦点距離で左右されるものに被写界深度があります。被写界深度が浅いほど遠近感があり(ぼける範囲と分量が多くなります)、被写界深度が深いほど遠近感が少なくなってきます(ぼける範囲と分量が少なくなります)。(ピント位置前後でもピントが合っているように見える部分が多くなってくるので、「圧縮感が出てくる」という表現を使ったりもします)。
被写界深度はF値(絞り値)、焦点距離、撮影距離で決まりますが、F値が小さくなるほど、被写界深度は浅くなり、大きくなるほど被写界深度は深くなります。また、焦点距離は長くなるほど、被写界深度は浅くなり、短くなるほど被写界深度は深くなります。撮影距離は、短くなるほど被写界深度は浅くなり、撮影距離が長くなるほど被写界深度は深くなります。
こう書くと絞り開放で撮影したくなりますが、例えば花を撮影する場合、花だけを撮るにしても被写界深度が浅すぎると周辺のディテールがわからなくなってしまいがちですので、ある程度絞って撮影するか、焦点距離が長めのレンズの方が使いやすいこともあると思います。焦点距離が短いレンズでの等倍撮影は、被写体に近付く必要があるので、撮影者自身のカゲができてしまって撮りにくいこともあります。一方で、スナップの要素を取り入れた情景を生かしたマクロ撮影などは、短めの焦点距離ならではの写真になると思います。
HD PENTAX-DA 35mmF2.8 Macro Limited + PENTAX KPのモードダイヤルU2(MACRO)にて撮影で撮影。絞り:F2.8、シャッタースピード:1/200秒、焦点距離:35.0mm、ホワイトバランス:オート、ISO感度:100、露出補正:+1.0、カスタムイメージ:ナチュラル。柔らかさを出すため開放で撮影。もう少し絞っても立体感やディテールが増して良いと思われる。